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報知音、誘導チャイム
c.階段=人々の流れ・靴音の変化、空気の流れ、温度の変化、自然光の気配、誘導チャイム
d.トイレ=臭気、水の流れる音
e.ホーム=空気の質の変化(外気)、自然光の気配、売店の新聞の匂い、列車音、遠くの列車がレールを響かせる音、列車風の有無とその向き、案内放送
f.コンコース=人々の流れ、人々のざわめき、店舗から聞こえる声、店舗から漂う匂い、屋外からの空気の流れ、壁際を歩く時の壁からの圧迫感
g.駅出入口=屋外からの空気の流れ、自動車騒音
2)とりわけ聴覚から得る音は、判断上の主要な情報になっている。音がなければ世界を失うとも言え、直接音と反響音による総合的な音情報によって、場の性質を理解し、その変化によって場の変化を感じている。
3)視覚障害者が持っている感覚を総動員しても判断することが難しいのは、ホームで自分の乗る列車は右か左か、列車から降りて目的地に至る階段は右か左か、改札を出て自分の目指すのは右か左かなど、二者択一的な情報選択をしなければならない場合である。
4)一般に視覚障害者は平面的・立体的な空間把握が苦手とされている。手掛りとするのは、ポイント毎に右か左か、いくつのポイントを越えるのかなど、ポイント毎の「位置情報」で、その積み重ねによって行動を形成している。
5)視覚障害者が困ったときに頼りにしているのは、人の存在である。
駅員や他の利用者が周囲にいて助けてくれることが、彼らの行動を支えている。

 

1-2 現状設備への評価 (1)誘導・警告ブロック
1.誘導・警告ブロックの敷設状況
1)調査駅の現状では、鉄道管理区域の全域に、誘導・警告ブロックが敷設されているが、のりかえ経路の中間に位置する商業施設内には敷設されていない。
2)この状況は、他のターミナル駅全般を概観しても同様と思われる。
3)現状の多くの駅で、誘導ブロックは駅出入口から改札口を通りホームに向かう基本動線上に敷かれ、それに対して次の箇所で分岐するルートが設けられている。
a.きっぷうりば(点字運賃表)
b.トイレ
c.エレベーター
d.定期券発売所
e.指定券うりば
f.触知図式案内板駅によっては、エスカレーターへ誘導する分岐ルート設定もみられる。
4)乗車系動線のホーム上で、階段位置から車いすスペースの確保された車両扉位置まで誘導ブロックを敷設している鉄道がある。これは設置者が誘導プロック利用者と車いす利用

 

 

 

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